News Release

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2008年09月01日 河合塾
2008年度「全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)」結果に関する分析コメント
概要 全国の小学校6年生、中学校3年生232万人を対象に実施されました「全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の調査結果を受け、学校法人河合塾にて分析をおこないました。
2008年度全国学力・学習状況調査(通称:全国学力テスト)結果についての総合コメント

 昨年に続き、全国の小学校6年生・中学校3年生232万人を対象に実施された、国語と算数・数学の学力テストならびに学習状況の調査結果が公表された。
 小学校・中学校、A問題・B問題とも、これまでの調査で課題が見られた内容の問題やより正確な理解が必要な問題が増えたため、昨年に比べやや難しくなった。その結果、平均正答率は押しなべて少し下がっているが、過去の調査と同一問題での正答状況は、多くの問題で大きな変化が見られないか高くなっており、昨年と比べ学力が低下しているとはいえない。注目のB問題では、資料からの必要な情報の取り出しや整理、またそれらを根拠とした書き換えや自分の考えの表出など、昨年同様の課題が見られる。例えば、予想される事柄を説明する中学校数学B2(2)を例にあげると、同様の狙いで出題された昨年の中学校数学B2(2)の正答率とほとんど変化がない(昨年42.5%→今年39.7%)。教科ごとの正答率をみると、中学国語の60%以外は凡そ50%と昨年から10%下がっており、「活用力」課題がさらに浮き彫りになったと考えられる。
 教育委員会や学校では、昨年の結果を受け様々な取り組みが行われており、それは今回の生徒・学校への質問紙における「活用力」対策を想定した質問からも伺うことができる。生徒質問紙での「考えの理由が分かるように気をつけて書く」や「段落や話のまとまりごとに内容を理解しながら読む」で、ほぼ60〜70%の回答、また学校質問紙での「さまざまな考えを引き出したり、思考を深めたりするような発問・指導を行う」や「発言や活動の時間を確保して授業を進める」でも、ほぼ90%以上の回答となっている。今後、他教科をも巻き込んだ教材開発や指導技術の研修等、次期学習指導要領導入に向け様々な取り組みが活発化すると思われる。
 さて、全国学力・学習状況調査は、これで2回実施されたことになるが、次期学習指導要領で打ち出されている「活用力」強化の必要性は明確になったと考えられる。またこうした学力観は、大学卒業時に必要な力として打ち出された「学士力」にも一貫した流れとなっており、学力観として小中学校と大学をつなぐ大きな枠組みができたものと考えられる。従来から、一部高校入試の問題にB問題仕様の出題が見られるが、今後こうした出題の可能性が増すことが予想される。この秋予定されている高校の次期学習指導要領において、この学力観がどのような形で取り入れられるのか注目したい。
 ところで、全国学力・学習状況調査は悉皆調査として実施されており、来年度の実施も既に確定している。昨年・今年の2回の実施を通じて、「知識」「活用」の両分野とも課題は明確になり、それは次期学習指導要領にもしっかり反映されている。またこの2回の実施が、各地区での学力強化への様々な取り組みの大きな契機となったことも確かである。ただ、今後各学校が「活用力」を強化していくためには、様々な施策を行える環境をさらに整備していく必要がある。小中学校が義務教育であり、すべての生徒が中学卒業時に、文科省が想定する「知識」と「活用」の必要レベルに到達できるようするためにも、現行の悉皆調査を抽出調査に切り替え、その財政支出を教員定数増や授業力向上施策に振り向け欲しい。
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